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美しい言葉というのはいつだってどこかうさんくさい。

「自由」、「平等」、「民主主義」、「平和」・・・

これはその反対にあるものをうまく隠す盾となっていたりするものだから。

しかしうさんくさいからと言ってそこから目をそらしてしまったり、あるいは信じこんで、現状に甘んじているのではただの怠け者。

強行採決、あるいはそう呼ばれている何かの様子を遠くの地で見ながら、これは「我々は民主主義国だ」というどこかまったく根拠がない思いに身を委ね続けた結果のような気がしていた。

自分たちは民主主義の中ですべてを行っているのだから正しいのだ、というどこかで甘えた、そして非常に漠然とした思いが根底にある気がするのだ。

本当ならば、それは常に、毎日、どこかで体現し続けなければ意味がない実態のないものなのに。

というのも、ここまで強引に可決まで持っていくやり方に唖然としながらも、どこか頭の隅で、やっぱり、とも思っている自分がいたのだ。それはつまり今の政治的状況には、こういうやり方もありえてしまうだろうと思わせる何かがあったということであり、脱民主主義はすでにゆっくりと始まっていたのだ。

例えば、違憲だと言われて無理矢理まかり通してきたのはこれが始めてではない。一票の格差というのも問題になったはずだった。しかしそれももはやなかったかのように進めることに成功してしまい、それを無視しても続けていけてしまうことに気づいた政治家たちはそれに甘んじて「民主主義」という言葉の影で、まるで反対の方向へ走って来てしまった。放っておけばいつかみんな忘れるだろう。なんだかそんな魂胆があったのだ。

今回の様子をみてそんな政治家たちを許して来た自分にも責任を感じざるを得なかった。

とにかくこの国には民主主義が基底にある、そして自分たちはそれに守られている、という甚だしい勘違いがあったのだ。(あるいはそういう感情を利用したとも言える)

だからこんなに驚くほど多くの市民が声をあげているのに、それを平気で無視することができてしまうのだ。民主主義という名の下で。

そしてもはや政党を超えて、多くの人がとにかく「バカにされている」と感じるレベルに到達してしまった。

民主主義は私たちを守ってくれるものではない。私たちが守らなければいけないもの。そんなことみんな頭のどこかで分かっているはずなのに。

私たちは仮にも民主主義を掲げる国において、こんなにも簡単にある意味非常に暴力的に国の根底を揺るがすようなことを決めてしまえるという恐ろしさを今、目の前で経験をしている。ヒットラーだって民主的に選ばれたのだ、というのはよく聞く言葉だが、それと今日本で実際に起きていることに何も大差はない。この方法がまかり通ればけっきょくなんでもありの世界になる。独裁への道はそんなに遠くないということを、こんなに身を以て感じたことはなかった。

あれだけ世論を気にする政治家たちが今回の大勢の市民の明確な怒りの声をまったく無視して突っ走る姿は情けないを通り越し滑稽ですらある。何に踊らされているのか?

民主主義を守ろう、というのではなく、もはや民主主義ではなくなっていた国がどうやってまた民主主義を取り返すのか、という話をした方が早い気がしてしまう。

民主主義があたかもひとつの「もの」のように、一度手にしたらもう逃げて行かないもの、と捉えて、そこに一方的に甘えてきた気がする。政治家も私たちも。そうすることで結局その言葉を安易な逃げ場にし、その本当の意味を空洞化させていた。

美しい言葉はどこかうさんくさい。それはその言葉たちが実態を持たない陽炎のようなものだから。

民主主義は毎日更新し、毎日それについて考えるものであり、行動で実行するもの。自由という言葉もそうだし平等という言葉もそうだ。民主主義も本気でそれを「実践」したいのであれば、それは泥臭いものでダサイものなのかもしれない。またそれはガラスケースに入れて飾ってしまうようなきれいなものでも手に届かない高価なものでもないはずだ。

とにかく、既にそこに到達していると我々はみな勘違いをしていたのだ、ということ。

何かに寄りかかり盲目的に信じることはとても楽なこと。でもそんなことでは美しい言葉を守ることはできない。

M

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