Home

John Oliverという政治風刺を得意とするコメディアンが、W杯を巡って提唱した『The Sausage Principle(ソーセージの原則)』がちょっとした話題になっている。

『ソーセージの原則』とは、”If you love something, never find out how it’s made.” 大好きなものがどのように作られたか決して調べるな(なぜなら、きっと、その製造過程に疑問を呈さざるを得なくなるから)。

W杯もこの原則に当てはまるというのがJohn Oliverの主張である。つまり、W杯が大好きで、フットボールを見ることが至上の楽しみならば、W杯がどのように運営されているのか、FIFAがどのようなスキームで利益を上げているのか、決して調べてはいけない、と。

 

開幕前から、こちらのメディア(特に左派のメディア)は、ブラジルの現状とW杯に対するデモの報道が目立っている。貧困、暴力の蔓延、社会インフラの欠如がかねてから問題となっているブラジルにとって、W杯は何ももたらさない、そうした問題の解消に使われるべきお金を、たった1ヶ月しか使用されない(場合によっては数日しか使用されない)スタジアムなどに投資するべきなのか、というのが、W杯に批判的な立場の主張である。FIFAのW杯運営、資金の流れを見てみると、W杯のホスト国に対する経済的効果は部外者が思うほど大きくないのかもしれない。

これは、W杯に限らず、オリンピック等、スポーツの国際大会すべてに言えることかもしれない。

Olympic Park / East London

Olympic Park / East London

例えば、2012年のロンドンオリンピック。低所得者が多く暮らすロンドン東部の再開発をオリンピックときっかけに行うと、莫大な資金を投入して様々な施設がロンドン東部に建設された。しかし、オリンピックの経済効果、ロンドンオリンピック運営委員会がことあるごとに約束してきた「レガシー」は、(ロンドン東部に暮らす私個人の感覚であるが)なかなか感じられない。

様々な社会問題を抱えているブラジルにおいて今本当に必要なのは、果たしてW杯なのだろうか。(とは言いつつ、ロンドンだってロンドン特有の社会問題がいろいろとあるけれど・・・)。2022年に開催予定のカタールW杯を巡っても、すでに多くの問題が噴出している。

Workers' right ©Telegraph

Workers’ right ©Telegraph

カタールによるFIFAの買収はもちろん、スタジアムを建設するための出稼ぎ移民(特にインドやネパールからの移民が多い)の扱いが、まるで奴隷を扱うようだと問題視されている。例えば、カタールで働く出稼ぎ移民が本国へ帰国する際、出国を「許可する」書類が必要なのだが、それは移民の雇い主しか申請できない。つまり、雇い主がノーと言えば、移民は半永久的にカタールから出国することができないのだ。そして、多くの場合、移民のパスポートは雇い主が「管理・保管」している。

今夜、いよいよ、イングランドの初戦、対イタリア戦を控えたロンドンは、なんとなくざわざわしている(気がする)。W杯を楽しんでいる自分がいる一方で、 W杯の裏にある様々な問題を考えると、なんとも複雑な気分だ。『ソーセージの原理』、まさに。

A

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中